機械部品VA・VE設計のポイント

L字コーナーのRサイズ変更によるコストダウンのポイント

上図の機械部品は、L字形状の付け根部分の寸法にR5の指示が入っています。L字形状の機械部品は、強度を出すためにRをつけることは一般的にされることです。しかしながら、このように緩やかなRが入っていると、例えば、R0.8の切削工具で切削加工を行なった後、R5の専用工具に変更して切削を行なう2段階の切削加工が必要となります。ツールチェンジが発生し、かつ加工時間も増加しますのでコストアップの要因となります。

L字形状の機械部品でも、強度物性上問題が無ければ、上図のようにL字の付け根部分をR0.8とすることでコストダウンを図ることができます。R0.8と寸法指示を変更することで、切削加工の切削で使用するR0.8用のカッター1本で加工を行なうことができます。刃物交換の必要が無く、加工時間も短縮できます。設計者は、上記の加工事情を踏まえ、極力緩やかなR形状を避け、刃物規格に合わせてR形状を図面に盛り込むことで機械部品のVA・VEを図ることができます。