機械部品VA・VE設計のポイント

基準点の明確化によるコストダウンのポイント

上図の機械部品の図面では、ザグリ深さの寸法が基準穴の中心からの指示になっています。実際の加工現場では、ドリル加工を行なった端面からの寸法が必要となります。そのため、基準穴の座標から段差等を計算してザグリの加工深さを算出することになります。したがって、切削加工以外の工数が増加する上に、計算間違いによる不適合品が出来上がるリスクも高まります。

上図のように加工する箇所に直接寸法を記載していただくことで、切削加工前にザグリの加工深さを算出する必要がなくなります。切削加工以外の計算lに関わる工数を削減することに加えて、計算間違いなどのミスによる不適合品の発生リスクを抑えることができます。機械部品の設計者は、加工現場が認識しやすい図面指示を工夫していただくことが重要です。これにより、機械部品のトータル的なコストダウンに繋がります。