鋳物に切削加工をして製作する機械部品は、一般的に広く採用されています。上の写真のように鋳肌には凹凸があるため、上図のように切削加工面との段差が1mm程度の場合は、材料によってはバラつきがあり鋳肌が削り面より出っ張ってしまっていることがあります。その場合は、出っ張った鋳肌を切削する必要がありますが、塗装がある場合は再塗装も必要となり、歩留まり悪化とコスト高の要因となります。
機構上問題が無ければ、設計段階から加工面に対して鋳肌の逃がし部分を大きくする(1mm⇒3mm)ことで、材料のバラつきによって追加工が発生するリスクを低減することができます。これにより、製品の歩留まりが改善しコストダウンに繋がります。ただし、上図のような円筒形状の機械部品で逃がしを大きくする場合には、物理強度の低下は否めませんので、これらを加味した設計変更を検討することが重要です。