機械部品VA・VE設計のポイント

治具を活用した研磨加工による工数削減のポイント

上図のような穴の中心から公差±0.002、さらに直角度0.01、平行度0.01の指示がある部品の場合、切削加工だけではこのような公差を出すことができないため、切削加工の後に上下左右4面を平面研磨加工で仕上げる必要があります。この場合の加工は、まず基準面を決めて寸法公差を満たした後、残りの面にも研磨加工を行ないますが、測定と位置決めに大幅な時間がかかりコストアップの要因となっていました。また、歩留まりも悪化してしまします。

穴の中心からの寸法指示や、直角度や平行度の公差がある部品は、上図のような治具を用いることで位置決め・測定時間の短縮が可能となります。この治具は、突起部分を加工品の穴に入れてナットで固定して平面研磨加工をします。こうすることで、測定不要で基準面が寸法公差を満たすことができるので位置決め・測定の時間が短縮されコストダウンが実現できます。さらに、治具を使用することで要求寸法公差を満たしやすくなり、歩留まり向上にも貢献します。